悲しくも喜びに満ちた見送り

若葉BBC牧師/宣教委員 ジェームズ・スミス

 

去る11月27日(日)、若葉聖書バプテスト教会に於いて鈴木しのぶ宣教師の派遣式が行われました。それは、東アジアの宣教地に私たちの小舟である鈴木姉を見送るという悲しくも喜びに満ちた見送りの時となりました。

派遣式の中で開かれた聖書箇所の一つは、使徒の働き20章37、38節でした。「皆は声をあげて泣き、パウロの首を抱いて何度も口づけした。『もう二度と私の顔をみることがないでしょう』と言った彼のことばに、特に心を痛めたのである。それから、彼らはパウロを船まで見送った。」

内島師と栢下基従師が祝辞を述べて下さり、佐藤宣教委員長と鹿毛愛喜師がメッセージを語って下さいました。そして、会衆賛美と特別賛美によっても大変恵まれました。今回は、残念ながら皆さんを対面でご招待することができませんでしたが、その場にご列席の方もライブ配信で参加して下さった方も共に、神様が日本の一地方教会とそこに集う人々が信仰によって最良の働き手を宣教地に派遣したことの証人となって下さいました。

若葉教会と鈴木姉は、何年も前から派遣式とそれに続く働きのために備えてきました。鈴木姉がフルタイムの献身に導かれ、日本バプテスト聖書神学校へ入学、そして卒業、それに続く訓練と宣教地に赴くという召しに従うこと、更には若葉教会の宣教チームは宣教について学び、宣教集会を導き、鈴木姉が実際に宣教地に行くこと、今支援している宣教師をはじめ自分たちが派遣する宣教師をどう支援していくかについても話し合いました。若葉教会はまだ若い教会ですから、今でも派遣教会となるとはどういうことかを学ぶ途上にあります。しかし、感謝なことに私たちは一人ではありません。鈴木姉を派遣することは一地方教会が単独で行うことではなく、「私たちには何ができるのか」「どのように関わることができるのか」を神の人々が一丸となり、共に手を携えて働くことだからです。実際に派遣式に参加して下さった兄弟姉妹にも、また様々な形で私たちを支援して祈って下さったお一人お一人にも感謝致します。

 

JBBF海外宣教委員会の牧師たちと数名の方々が鈴木姉のために祈った時が最も感動的で、多くの人が涙を流して祈りました。鈴木姉はこれまでもそうであったように、これからも主イエス様と共に歩む信仰を証しし続けるでしょう。そして、宣教地において主にある兄弟姉妹と共に福音を伝え、人々を主に導く冒険へと加わることでしょう。私たちは、すでに鈴木姉の居なくなった「穴」を感じていますが、それは多くの奉仕をしていたというだけではなく、兄弟姉妹と共に信仰生活を送り、また人々の祝福となっていたからです。鈴木姉と別れることに悲しみの涙を流すと同時に、私たちは喜びの涙も流したと思うのです。なぜなら、神様がご自身の福音の働きのために送り出されるからです。マタイ28章においてイエス様が弟子たちに「ですから、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。父、子、聖霊の名において彼らにバプテスマを授け、わたしがあなたがたに命じておいた、すべてのことを守るように教えなさい。みよ。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいます。」と命じられました。この命令には曖昧さはなく、弟子たちはご命令の通りにしました。弟子たちはイエス様を救い主と信じて、イエス様を知ること、イエス様とつながることに大きな喜びを経験したのです。使徒の働きのテーマは、人々がイエス様を救い主と信じた時の救いの喜びです。

 

主ご自身も宣教の心を持っておられました。イエス様はそのことを地上の生涯において実践し、ご自分のいのちを私たちのためにささげてくださいました。キリストを救い主と信じている私たちは、宣教師の働きがあって福音を聞くことができました。言い換えるなら、イエス様が地上に来られ今から2000年前に始められた宣教の働きにより、私たちは新約時代のクリスチャンと同じ救いの喜びを持っているのです。

 

ですから、宣教師を派遣することに参加することは神様の働きを同じように行うことなのです。そして、私たちの心は大きな喜びで満たされるのです。鈴木姉を送り出したことだけで終わらないようにしましょう。祈りによって、再び働き人を送り出すという大きな喜びを経験させていただきましょう。

 

鈴木しのぶ宣教師派遣式の動画へのリンク