主の与えてくださった重荷

台湾/派遣宣教師 鈴木 しのぶ

私は救われて、仕事をしながら中高の教員免許を取得しました。学校の教員になれば、多くの子どもたちの名前を知り、子ども達の救いを祈れると考えたからです。「子ども達にイエス様のことを伝えたい」と願ったのは、17歳で初めて福音を聞いて感動したからです。高校時代アメリカに11か月留学し、田舎の素朴なクリスチャンの夫婦に愛してもらい、身をもってキリストの愛を味わいました。神様が私にしてくださったこの素晴らしいことに、時が経つほど感謝しています。

私が「宣教」「伝道」について初めて聞いたのは、2007年9月に滝山BBCで行われたJBBFの宣教大会でのことです。「子ども達にイエス様のことを伝えたい」という願いは、「宣教」というもので、私には宣教の重荷が与えられていると合点しました。この集会で神様の招きに私は応え、前に出て祈りました。

その後、私は教員としてキリスト教系の私立中高一貫校に3年間勤めました。2014年8月から神学校で学びと訓練をいただき、卒業論文を通して与えられた召しに向き合いました。神学校を卒業した後、2017年11月に吉田正治宣教師ご夫妻を通して香港とY市の教会に連れて行っていただきました。そこで信仰を働かせるクリスチャン達には格別な喜びがあるのを見ました。これを機に、主は私に東アジア宣教の重荷をくださいました。

2018年4月から3か月間、米国フロリダ州にある私の牧師スミス先生の母教会で訓練をいただきました。私は、日曜学校で主に仕えるための知識や技術を求めましたが、むしろ神様と人への愛、子ども伝道の情熱をいただいて戻りました。また、働き手が足りないのは日本や東アジアだけではない、アメリカでもそうなのだということに衝撃を受けました。世界中どこでも、いつの時代も「収穫は多いが、働き手が少ない(マタ9:37)」のだという現実が胸に刺さりました。

2019年の4月から約2か月間、再び香港を訪ね、吉田宣教師ご夫妻にご指導いただきました。香港は正に東アジア宣教のハブでした。大陸に聖書を運ぶ人や、大陸で聖書の学びを導いている人たちに出会い、多くの教会が大陸の教会や宣教師をサポートしている姿を目撃しました。ある地域が閉ざされると香港に一時滞在し、その間、開けた地域を探して次はそちらに行く姿を見ました。東アジア宣教は表立って目には見えませんが、確実にうねりをもってしたたかに行われていました。また台湾の高雄にも1週間滞在し、吉田宣教師の台湾時代からのお知り合いの先生方とお会いしました。公立の幼稚園や小学校、特別支援の幼稚園を訪問して福音を伝えるのに同行しました。また一緒に高齢者施設を訪問し、台湾語話者や日本語話者の方々と私も交わり、賛美や証をする働きに加えていただきました。私と東アジアを結ぶものはないように見えましたが、確信を求めて祈ると、主は「主がお入用なのです」(ルカ19:31)というおことばで答えてくださいました。

2019年9月に若葉聖書バプテスト教会は、東アジア宣教の第一歩として台湾に私を宣教師として遣わすことを決議しました。まず台湾の地方教会で主にお仕えしながら北京語を学び、大陸の人々に福音をお伝えする道を探り、機会をとらえたいと願っています。私は何も特別なことはできず、何も成し遂げたこともありません。しかし神である主が人の救いのためにすべてを成し、JBBFの先生方が私をも愛し、その真実を私にも語ってくださいました。こんな私をも入用と言ってくださる主にお従いし、またお交わりをいただいているJBBFの諸教会の先生方や兄姉と共にこの道を進みたいと願っています。

鈴木しのぶ先生の台湾訪問

2019年の台湾訪問