宣教クォータリー
2024年冬号
次世代が宣教に燃えるには
仁戸名聖書バプテスト教会伝道師 小林 太秀
「主はヤコブのうちにさとしを置きイスラエルのうちにみおしえを定め私たちの先祖に命じてその子らに教えるようにされた。後の世代の者生まれてくる子らがこれを知りさらに彼らがその子らにまた語り告げるため。」詩篇78篇5~6節
後の世代の者を教えなさい
「後の世代の者を教えなさい」これは神がイスラエルの民に繰り返し命じられたことの一つです。またパウロもテモテに向かって「私から聞いたことを、ほかの人にも教える力のある信頼できる人たちに委ねなさい。」(Ⅱテモテ2:2)と言い、次なる働き人を育成するように言いました。ところでなぜ聖書は後の世代の者を教えていくことを重要なこととして教えているのでしょうか。その最大の理由は後の世代は自然には育っていかないからです。もし私達が何もしなくても後の世代の者が自動的に育っていくのなら、神はこれほどまでに繰り返して「後の世代の者を教えなさい」ということは言われなかったでしょう。もちろん「門前の小僧、習わぬ経を読む」ということも事実でしょう。私自身も牧師の子供として生まれ、日曜日は教会に行くなどといった生活習慣は自然と身に着いていきました。しかし自分自身の信仰の確立や献身について振り返った時、ジュニアキャンプや青少年のためのプログラムから大きな影響を受けたことを覚えています。それらは後の世代を教えるために“意識的に計画されたプログラム”でした。誰かが後の世代のためにキャンプなどを計画し、犠牲を払って奉仕してくださったので私は信仰的に大きく成長できました。
「後の世代は自動的には育たない」が真実であるなら、宣教に対する重荷も自動的には与えられないということになります。特に海外宣教は私達の日常にはありません。後の世代が宣教に燃やされていくには、海外宣教について知り、それを自分のこととして受け止めていくことができるような体験が必要となってきます。特に若い人々の信仰成長にとって宣教の重荷を持つことは大変重要です。なぜなら人生において最も重要で価値あるものは何か、ということがはっきりしていなければ、それほど重要でなく大した価値もないようなものに人生を費やすようになってしまうからです。この世には若い人の興味を惹きつける様々なものがあふれています。しかし私達の時間やお金には限度があるので、何に時間とお金を費やしていくか賢く取捨選択をしていかなければなりません。その際の取捨選択の基準は「自分にとって価値あると思えるかどうか」です。人は自分にとって価値があると思えるもののためなら喜んで時間とお金を費やしていくことができます。若い人は教会が真面目臭くて楽しくないから教会から離れていくのではありません。教会よりもこの世が提供してくれるものの方が自分にとって価値があり、優れたものだと思ってしまうから教会を離れてしまうのです。
福音宣教の働きの価値
「神は実にそのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。」(ヨハネ3:16)とあるように、神様はイエス様をお与えになるほど失われた魂を救うことに価値を見出していました。イエス様はご自分の命を犠牲にしてまで人間を救おうとされました。神様の目から見て失われた魂を救うこと以上に重要で価値ある働きはないのです。そしてこの福音宣教という価値ある重要な働きを行うことができるのは救われたクリスチャン以外にいません。私達が他の人よりも先に救われたのはまだ救われていない人に福音を伝えていくためです。若い人が若い時に救われたのにも神様の計画と意味があります。若い人にはまだ多くの時間が残されています。その長い人生を福音宣教のために費やしていくことができるのは素晴らしい恵みだと思います。もし若い人が本当にこの福音宣教の働きの価値を見出すことができるなら、自ら進んで教会に通い、聖書を学び、奉仕をしていくようになるでしょう。またもっと神様の力と助けを求めて熱心に主を祈り求めるようになっていくでしょう。そして自分の進路を考えるにあたっても当然、宣教師や牧師という選択肢も含まれ、そのことについても祈るようになるでしょう。しかしもし若い人が福音宣教に価値を見出すことができないなら「教会生活は必要最低限にしておいて、世のことに沢山エネルギーを注ごう」ということになってしまうのではないでしょうか。若くして救われたという恵みを無駄にしてしまうのはなんと大きな損失でしょう。神様はその人を用いたいと願っておられて、その人を通して救われるはずの人がいたかもしれません。しかしそれを全く無視してしまっているのです。それはあたかも親切なサマリア人の例えに登場する祭司やレビ人のようなものです。彼らは聖書知識には精通していましたが、目の前に横たわっている死にかけの旅人を救おうとはしませんでした。「自分にはもっと他にやるべきことがある」と考えてしまったのがその一因でしょう。神様は彼らにこう問われるのではないでしょうか。「目の前にいる死にかけの人を救うこと以上にやるべき大切なこととは一体何なのか」と。命を救うことの価値や重要性が分かっていないと優先順位がおかしくなってしまうのです。これは失われた魂についても言えることではないでしょうか。
若者が宣教に重荷を持つために
さて、後の世代が自動的には育たないのだとしたら、宣教に対する重荷が与えられるような若者向けのプログラムが必要になってきます。後の世代を育てることは主から与えられた私達の責務なのです。感謝なことにJBBFでは海外宣教委員会の発案により、青少年宣教キャンプが2008年より開始され1回も途切れることなく毎年夏に行われています。また諸教会でも若者が宣教に重荷を持つための様々なプログラムが行われていることでしょう。多くの人の献身的な奉仕によって宣教キャンプは支えられています。宣教キャンプに限らず次世代の育成には多くの労力と時間がかかります。これはすぐに結果を見ることができない困難な働きです。しかしすぐに結果が見えない困難な働きだからこそ、後回しにせず今から地道に取り組んでいく必要があるのです。そこで必要とされるのは主のため、次世代のために自らをささげる働き人です。未来のために今をささげる人が求められているのです。
今日をささげる
インドにあるコヒマという場所は第二次世界大戦中における激戦地の一つでした。各地から招集された兵士達は敵の手から祖国と愛する人を守るために必死に戦い、命を落としていきました。コヒマにはそこで命を落とした兵士4064名の墓が建てられており、その墓石には次の言葉が刻まれているそうです。「故郷に帰ったら家族に我々のことをこう伝えて欲しい。“あなた方の明日のために我々は今日を捧げた”と」。未来はこのような献身的な人達によって築かれていくのです。明日の宣教を担う次世代のために私達も今日をささげていこうではありませんか。
ワークキャンプの恵み
桶川BBC牧師/宣教委員 内島 隆
2023年7月17日(月)、桶川教会より5名でグレース・キャンプ場のワークキャンプに参加させていただきました。
キャンプ場では、設備の修繕整備と新しく遊具を設置する計画がありました。これをアメリカから来たボランティアたちが、多くの重荷を負ってくれました。彼らの背景は、テキサス州にあるクリスチャンの社長さんが経営する建設会社で、社員の宣教体験の一環としてこの奉仕活動を行っているのだそうです。つまり、彼らは宣教師ではないのです。
今から20年ほど前、私は当時所属していた教会の新会堂建設を体験しました。その折、母教会があるカナダからボランティアたちが来日し、作業の多くを担ってくれました。もちろん彼らも宣教師ではありません。しかし彼らは、自分たちが用いるはずのない教会堂を、喜びと希望をもって建て上げて行ったのです。マタイ28章19節で「あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい」と主はお命じになっておられますが、その御言葉は、伝道者ではない一信徒でも、このような形で実現されることに気づかされ、福音拡大に強い使命感を覚えたものです。この体験は、後に私の伝道活動や献身の一助ともなりました。
そしてその時と同じ光景が、7月17日のグレース・キャンプ場にもありました。しかもその恵を、私が仕えております桶川教会の兄姉たちが一緒に体験してくれたのです。
ボランティアたちは、自分たちが使う可能性はまずないであろうキャンプ場を整備し、福音の働きのために生き生きと奉仕していました。山のように積みあがった備品類から、廃棄する物と使用する物とを選別し、資材を用意しては新たに設置する。その屈託のない彼らの笑顔と汗を、桶川教会の兄姉たちは見たのです。そして彼らの語る証を耳にしたのです。この体験をとおして、兄姉たちは教会形成の当事者としての信仰を、より豊かに現わしてくれるようになりました。感謝!
来日したボランティアたちは宣教師ではないけれども、宣教地に赴きキャンプ場を整備しました。その働きが、日本の埼玉県の桶川市の住宅地の端っこにある小さな教会をも大きく励ましたのです。
そしてこの夏、多くの方々が整備されたグレース・キャンプ場を利用されましたが、きっと参加された方々一人ひとりが、主から豊かに霊的恵みをお受けになったことと思います。
私はこの体験から三つのことを覚えます。
⑴宣教地には宣教師の働きに加え、信徒の働きも必要だということ。(ピリピ4:15-20)
⑵宣教の働きに加わると、その周囲にも主の御力が波及するということ。(Ⅰテサロニケ1:6-8)
⑶宣教の働き場に臨むと、教会が力を得るということ。(使徒9:19-22)
今後も機会を得て、主の御力に与りたいと思います。
感謝と祈祷
香港/東アジア派遣宣教師 吉田 正治
● 近況報告 ●
最新の宣教報告にも触れましたが、コーナーストーンの新しい働きである、GBELS(ジーベルズ)の手伝いに、フィリピンに行って来ました。英語の学校は8月から始まっていますが、あらためてグレース姉妹のご家族と一緒に、献堂礼拝をお献げできて感謝でした。教会も一日も早く始まるように、強力に祈っています。
12月17日はクリスマス子供会で、子供8人、大人5人の出席でした。うち一人は内地の人で、道に落ちていたトラクトを拾って、教会に来られました。この姉妹は、2年ほど前、ある伝道者の個人伝道で救われたものの、ご主人に教会に行くのを禁止されて、ずっと行けなかったそうです。半年前、上水の町に引っ越して来て、これが初めて教会に来た日だったそうです。聖日に教会に来られるようにお祈りしています。
クリスマス前から再来会するようになった、香港人のデイジー姉は続けてこられています。今年になってフィリピン人のメリーアン姉妹がバプテスマの決心をしました。
● 祈りの課題 ●
① 淳子師の乾癬性関節炎の癒しのため
② GBELSの働き。グレース姉妹の英語学校に助け手が与えられ、宣教師が遣わされ教会が始められるように
③ 香港コーナーストーン教会の祝福
インドネシア派遣宣教師 田村 成幸
● 近況報告 ●
12月のクリスマス諸集会も守られ、多くの出席者を頂いて行う事が出来ました。イスラムからの妨害もなく無事に導かれた事を感謝致します。おそらくスラバヤでの最後のクリスマス集会になりますが、今年は、バリでの開拓伝道を始められたら感謝です。最近では、教会に対する目立ったテロ行為は以前より少なくなったものの、局地的には、許可の取り消し、教会の強制閉鎖、地域からの追い出し、嫌がらせ行為等、イスラムからの妨害は日常茶飯事的に行われています。続けてインドネシアまたはイスラム圏の教会の守りの為にお祈り下さい。
● 祈りの課題 ●
①インドネシア宣教の祝福と拡大
②スラバヤ南バプテスト教会の祝福
③クランジバプテスト教会の祝福
④田村家族の守りと親兄弟の救いと家内の健康のため
⑤バリでの開拓伝道の道が開かれるように
インドネシア派遣宣教師 広瀬 憲夫
● 近況報告 ●
9月26日にインドネシアに戻り、ビザ延長手続き。例年は数日で発給が、今回は1ヶ月かかっている間に、秋田の母が死去。弟夫婦が葬儀を執り行ってくれた後に、再び一時帰国。まさに、神のなさることはすべて時にかなって美しい。
12月のクリスマスシーズン。教会での集会以外に、地域や親族のクリスマス会などで牧師も信徒も大忙し。ビンジェイ幼稚園・小学校(生徒33人)クリスマス集会には親たちも参加。ビンジェイ教会青年教師たちが大きく用いられている。私たちはクリスマス礼拝前後から高熱をだし、大晦日集会欠席。
1月23〜25日メダン市で行われる全インドネシア単立バプテストフェローシップ・ミーティングの準備で、青年たちが活躍。参加受付入力のホームページサイトを立ち上げ、中心となって運営。佐藤一彦宣教委員長が集会説教、講義、その後ビンジェイ教会特伝でご奉仕。
● 祈りの課題 ●
①2024年に神学校卒業予定のダニエル・マナル兄とジョン・バンチン兄が御言葉の役者として整えられ、さらに弟子を育てる力が与えられるように
②ダニエル・マナル兄と井垣真実姉の11月結婚準備が整えられるように
③マナル牧師夫妻、シトメアン牧師夫妻の健康が支えられ、伝道牧会の働きが実を結ぶように
ハワイ派遣宣教師 上久保 崇
● 近況報告 ●
今年も恒例の夜に行なう子供会が行われました。この集いはハロウィンの行事を教会の子どもたちが避けるために20年以上続いています。霊的な守りと主に在る幸いな交わりをいただいています。
9月から中学校に進学した子供が与えられることを思い中高生会を持つことを祈ってきました。夏に日本から引越しをしてきたご家族の中高生も加わると言う神様の導きもあり数年ぶりに中高生会が再開しました。日曜学校の時間以外に共に時間を過ごすことで信仰の成長と信仰の友が導かれることを祈っています。
クリスマス礼拝に、こひつじサークル(就学前の子供たちと家族への伝道)から二組のご家族の参加がありました。メッセージを通してクリスマスの本当の贈り物である神様の愛が語られ、共にイエス様がこの世に来てくださった感謝をおささげしました。
クリスマス礼拝でカイル君(小学6年生)のバプテスマ式がありました。彼は「バプテスマを受けたいけれどもみんなの前で話す(証しをする)のが恥ずかしい」と言っていましたが、自分がイエス様を信じていることを証しするためにバプテスマを受けたいとの信仰へと導かれました。
● 祈りの課題 ●
①御言葉を通して、教会が「さらにイエス様を知り、信頼し、従う」ように
②2月の宣教大会の準備と祝福のために
③円安ドル高の中での経済的な支えのために
④それぞれの場所にいる家族に、主からの導きと守りがあるように
台湾・東アジア派遣宣教師 鈴木 しのぶ
● 近況報告 ●
2023年11月30日に台湾に派遣され1年が経ちました。当時はコロナ・ウィルスの関係で1週間の隔離がありました。2024年1月現在は、感染が抑えられています。
中国語に関しては、最初は街中でも礼拝でも何ひとつ聞き取れずしゃべることができなかったのですが、現在は分からないなりにも何とか、街中でも教会でも基本的なコミュニケーションを取ることができるようになりました。皆様のお祈りに心から感謝いたします。まだまだ語学力が足りませんので、どうぞ引き続きお祈りください。神様は今学期の私の中国語の先生にクリスチャンの方をお与えくださいました。私のクラスとお隣のクラスでクリスマス会をし、先生が私に5分間福音をお伝えする時間をくださいました。放課後、中国語の先生と私で同級生に福音をお伝えする機会も与えられました。その方は教会にも来られて、カラーズ牧師や他の宣教師とつながることもできました。他のクラスのお友だちお二人にも、福音をお伝えする機会がありました。引き続き神様が置いてくださった場所で、主の証がなされるようにお祈りください。
● 祈りの課題 ●
①台湾と東アジアで続けて福音が宣べ伝えられ、人々が救われるように
②中国語が上達するように(特に発音と声調)
③奉仕(掃除、子ども会、ナーサリー、奏楽、介護施設)を通して主が崇められるように
④台湾の人々や宣教師との交わりが深まるように
インドネシア派遣宣教師 入江 一義
● 近況報告 ●
昨年の6月より健康上の理由により一時帰国し、福岡にて療養生活をしています。入江師は帰国時は体調を崩していた関係で車椅子での帰国、一時は寝たきりに近い状態になり足腰がますます弱り歩けませんでしたが、リハビリや歩行器の助けで今は何とか歩けるようになってきています。近々、白内障の手術を受ける予定です。博子師は11月に股関節の手術をした後、リハビリを続けており、少しずつ歩けています。入江師はメダンに戻る方向で考えていますが、主の御心が成るようにお祈り下さい。ケサワン教会とメンテン教会が守られいますようにお祈りください。
第16回・青少年宣教キャンプの証し
香港・東アジア宣教師 吉田正治
2023年第16回青少年宣教キャンプも、ラバンラージャス師の遺された最後の働きであった、J B B F軽井沢グレースキャンプ場にて開催の運びとなり、キャンパーとボランティアスタッフ合わせて65人の収容人数ギリギリの賑やかなキャンプとなりました。
今年も、集会メッセージはすべて宣教師の先生にお願いし、インドネシアから来られたシモン・ネンゴラン師の証し、上久保師のハワイからのリモートメッセージ、鈴木しのぶ師のオンライン台湾ツアー、神学生の宣教アワー、長野聖書バプテスト教会での、集会とチラシ配布等々、多くのユニークなプログラムで、夏の終わりの5日間を過ごしました。
今年で日本国内開催も5回目となり、毎年どのように「宣教キャンプ」の特色を出すかに心配りながら、多くのプログラムを用意していますが、やはりメインは宣教師の先生たちの力強いメッセージであると確信しています。
毎回感謝しているのは、宣教師の先生たちは何をおいてもこのキャンプのメッセージを優先してくださり、今年も、宣教委員長の佐藤師をはじめ、田村師、廣瀬師、ザレッラ師は対面で、上久保師と鈴木師(宣教地紹介)はオンラインで、スミス師に至っては、前日アメリカからお帰りになったにもかかわらず、早朝車で、最後の閉会集会の時間前にはキャンプ場に到着され、力強いメッセージを取り次いでくださいました。最後まで神様の励ましをたくさんいただいて、説教者の先生たちに、感謝でいっぱいです。
どうか主が、これからもこの宣教キャンプを大いに祝福してくださって、多くの実を結んで行けますように。
最後に仁戸名教会、滝山教会、調布教会のご協力と、谷井先生ご夫妻ならびに、ボランティアスタッフのご努力に感謝すると共に、この5年、毎年この時期に牧師夫婦の不在を余儀なくされている香港コーナーストーン教会の兄姉たちに感謝を表したいと思います。
調布BBC 井垣 幸
今年の宣教キャンプでも、数多くの恵みを頂けたことに感謝し、心から主の御名を賛美致します。
「しかし、これらすべてにおいても、私たちを愛してくださった方によって、私たちは圧倒的な勝利者です。」(ローマ8:37)
第五集会のメッセージから、影のない神様の光の中にある時、私は隠れる必要がないのだと気が付きました。そして同時に、自分が今まで敗北者のように隠れた生活をしていたということにも気付かされました。
私が、私たちが日々戦っている霊の戦いは、2000年も昔にイエスさまが既に勝利してくださっている戦いであること、それ故に今を生きる私たちは、圧倒的な勝利者として振る舞うことができること、そのことに感謝しつつ、それまでの隠れた陰のような生活を悔い改める祈りをおささげすることができました。
また、今回のキャンプで、交わりというものがどれだけ尊いかにも、目を向けることができました。全員の顔が見える、大きな声で賛美をする、肩を抱きあって祈る、食事を頂きながら個々の話を聴く…数年前まではキャンプの風景として当たり前だったひとつひとつが、去年に比べてみても、今回久しぶりに取り戻されたような気がしました。キャンプという形ではありましたが、これこそ教会、イエスキリストを主とする集団のあるべき姿なのだと感じ、恵まれました。
また、私がキャンプ全体を通して覚えさせていただいたのは、主の再臨です。集会やディボーションの時間、先生方が終わりの時代であることに触れられることが多々あり、また個人的にも兄姉との交わりや礼拝風景そのものを通して、きっと天国でみんなで主を賛美するときもこのようなものなのだろうな、と感じられることが多くありました。自分が目指しているもの、求めるべきゴールを、キャンプを通してより鮮明にされました。
自分の命も世界の寿命も、あとどれほどか誰にも分かりませんが、主が許されるその時まで、主の遣わされる場所ならどこへでも行き、御言葉によって皆さんとひとつにされつつ、目の前の働きに励みたいと願っています。
小倉BBC ウインターズ・ケイラ
私は、今回宣教キャンプに参加するのは初めてでした。昨年も行きたいと思っていたのですが、仕事があり許されず、今年は参加できた恵みと、また参加できるように神様の備えがあったことはとても感謝なことでした。
キャンプの全てに於いて、各宣教師の先生方からのメッセージをはじめ、グループデボーションの分かち合いや、交わりを通してなど、自分が最近祈っていたことや悩んでいたことなどについてたくさん語られました。最善な時に一番必要なみことばを語ってくださる聖霊の働きに改めて感動いたしました。
私は性格上、日々の生活で思うように物事をこなせない時に、落ち込んでしまったり、完全にやる気を失ってしまったりすることがあります。しかし、そのように感じてしまうのは、神様の力にではなく、自分の力に目を向けているからなのだと教えられました。自分の力に目を向けていると、日々の仕事などを、喜びながら主のために行うことができないことや、また負担を感じるために心の余裕が持てなくなり、結果として周りの人たちへの愛やあわれみの心も持てなくなる状態になってしまうことに気付かされました。全てのことを主に対する感謝と賛美、礼拝の心で行う大切さを教えられており、またそうすることで心が喜びに溢れ、一つ一つを主に委ねながら一日ずつ進んでいける恵みを味えるのだと改めて教えられています。
キャンプは部分参加でしたが、夜のディボーション2日とも田村先生と広瀬先生のグループになり、とても教えられ感謝です。福音を伝えるに当たり、失敗を恐れず、逆にどんどん失敗するくらい伝えてみようというお話しや、「肉の思い」を言い換えると、それは今まで身につけてきた習慣のことを現すのではないかというお話しをいただきました。クリスチャンになり新しい者とされたのですが、罪の性質は残っているので、肉のよくない習慣が再び現れた時には諦めるのではなく、逆にそれが当たり前だと捉え、みことばに従いながら新しい習慣に替えることで少しずつ改善していこうというアドバイスをいただくことが出来ました。(2コリント5:17-20)
自分の足りなさを毎日祈りの中で主に委ね、ただ主の力により主の栄光のために小さなことも大きなことも忠実に行ない、周りの滅びに向かっている魂に福音を伝える機会を祈り探し、主が働いてくださるのを期待していきたいと思います。(ガラテヤ2:19,20)
美しい島への宣教調査旅行
若葉BBC牧師/宣教委員 ジェームズ・スミス
出発準備
2023年9月25〜30日まで若葉BBCの宣教チームを代表する5人が台湾の宣教調査旅行に向かいました。主な目的は私たちの宣教師、鈴木しのぶ姉を励ましに行くことでした。「私は、すべての物を受けて、満ちあふれています。エパフロデトからあなたがたの贈り物を受けたので、満ち足りています。それは香ばしいかおりであって、神が喜んで受けてくださる供え物です。」(ピリ4:18)このように、若葉の宣教チームの目的はしのぶ姉を訪ね、主にあって励ますことでした。準備として、約8カ月かけて宣教チームは参加者を決め、決定後は計画と祈りのためほぼ毎月集まりました。また、しのぶ姉ともオンラインで何回か目的や台湾の生活や宣教調査旅行の日常スケジュールについて打ち合わせました。予定を全部終わって、出発時となりました。
カルチャー・ショック
高雄に着くと、しのぶ姉が笑顔で出迎えてくださいました。タクシーでホテルに向かい、チェック・イン後に荷物を置き、夕食を食べに出かけました。感謝なことに、しのぶ姉がどこでも通訳をしてくださいました。宣教師が宣教地に向かう際、カルチャー・ショックについて教えられます。つまり、慣れないものを見、経験することにより、幾分かのショックを受けることです。様々な国に行き、外国に長く住む私にとって、新しい経験によりショックを受けることはもはやほとんどありません。しかし、台湾滞在の第一日目、私は二つのことに驚きました。一つ目は交通です。多くの国では、電車、自家用車、バス、タクシーなどがありますが、たいてい主な交通手段というものがあります。日本では電車だと思います。アメリカでは自家用車です。台湾ではスクーターでした。路上の数えきれないほど多くのスクーターには驚き、恐ろしいほどでした。
二つ目は、食堂を見つけ夕食を食べた時のことです。チェーンのレストランではなく、地元の食堂に行きましたが、とても清潔な日本にくらべると若干非衛生的に思えました。料理を注文し、ふと見るとカウンターの隣に50個くらいの卵が箱に入れられ、蓋もないそのままの状態で床に置いてありました。なぜかその光景が私の脳裏に残りました。感謝なことに、しのぶ姉は台湾の文化によく慣れています。地元の食生活に馴染み、スクーターで移動しています。私たち宣教師は、文化の違いに自分を合わせるために、神の人々の祈りが必要です。それでこそ、人々の中に住み、人々と共に生き、人々を理解し、人々にイエス様の福音を伝えることができるのです。
主に仕える
9月27日(水)は、しのぶ姉が仕えている高雄市の山頂バプテスト教会を訪ねました。アメリカ人宣教師カラーズ師が牧師をしています。夜の祈祷会の他、午後4時15分からしのぶ姉も仕える子ども会があります。到着すると、教会の人々が温かく迎えてくださいました。話されている言葉はわかりませんでしたが、真の信仰者が話す神の言葉であるアガペーの愛は分かりました。子ども会が始まり、多くの人が奉仕していました。奉仕者は賛美や工作など様々な方法で子どもたちをイエス様に導いていました。また以前しのぶ姉が日本語を教えたように、外国語も教えていました。しのぶ姉が台湾人のお子さんや宣教師のお子さんにイエス様のことを教える姿は、神の人々の祈りと犠牲と、神様の導きの集大成でした。夜の祈祷会で、若葉の一団も仕える機会がありました。私たちは特別賛美「ああ恵み」を賛美し、私はカラーズ師の通訳で説教をする特権をいただきました。私たちは小さなことでも宣教地にある宣教師の母教会で仕えることができ、喜び、感謝しました。
クリスチャンの交わり
すばらしい予想外の出来事は、水曜祈祷会で韓国BBFの宣教師、朴 貞宣(パク・ジョンソン)師と 庾 珉娥(ユ・ミンア)師ご夫妻にお会いしたことです。ご夫妻は大陸で仕えていましたが、突然、彼の地を去らなければなりませんでした。それを神様の導きと捉えて、現在は台湾で喜んで主に仕えておられます。しのぶ姉は来台後からご夫妻との交わりをいただいてきました。水曜祈祷会でお会いした時に親しく交わり、次の日の昼食のお誘いを受けました。そこで韓国レストランでおもてなしをいただき、辛い韓国料理を食べながらイエス・キリストの愛について、しのぶ姉の通訳を通して分かち合いました。韓国の兄弟姉妹との交わりをくださった神様を褒めたたえ、感謝します。イエス・キリストにあるクリスチャンの特別なつながりは、神様からの最も貴重な贈り物のひとつです。どんな人間的な境目をも凌ぐ、力強いものです。
感謝
加えて、私たちは他の多くのすばらしい兄弟姉妹たちと交わり、しのぶ姉の宣教の働きを目撃し、台湾文化を間近に見、一団としのぶ姉の温かい交わりの時間を持ちました。若葉教会の宣教チームは宣教地台湾訪問という、この特別な機会を主に感謝します。
結論として、ある出来事が心に残っています。一団のうち何人かがエスカレーターで階下に降りようとしていた時、私たちの前には二人のお子さんを含む四人家族がいました。大人と妹は下に降りましたが、5歳くらいのお姉ちゃんはエスカレーターに上手く乗れず、上に残されてしまいました。私たちはそれを見て一瞬、どうしようかと思ったのですが、一番前にいたしのぶ姉が落ち着いて優しくその子に手を差し伸べ、一緒にエスカレーターを降りました。その子は少しためらった後にしのぶ姉の手に自分の手をすべり込ませ、一緒に降りました。私たちもその後ろに続きました。その子は階下に降りると親御さんのところへ行き、私たちは彼らに挨拶をして別れました。しのぶ姉は後でこのことを話題にし、この場面は宣教師と教会の姿だと言いました。宣教地にいる宣教師が現地の人の手を取りイエス様に導き、教会は宣教師を後方支援し、祈りや交わり等で支えるのです。これからも、妨げなく台湾で福音が宣べ伝えられるように、人々が罪から悔い改め、イエス様を救い主として信じるようにお祈りください。また、私たちの宣教師鈴木しのぶ姉や、台湾で仕え福音を伝えている他の多くの宣教師たちのためにお祈りください。
編集後記
今年は大きな地震災害と痛ましい事故から始まりました。このことは、授かった命を死に至らしめる、罪の世の現実を強く示しています。
しかしこの厳しい現実に、イエス・キリストの救いによる真の命こそが、唯一の希望であることを私たちは知っています。 その私たちに、青少年宣教キャンプの機会と場所を与えて下さるほどに、主が私たちのことを覚えて下さっていることはとても大きな励ましです。私たちの課題は、福音宣教の実践と継承なのだと使命感を新たにさせていただきました。