2023年・秋号2023-10-03T11:21:18+09:00

宣教クォータリー

2023年秋号

 

ペルシアの離散民

名古屋聖書バプテスト教会 上田 平安

「ああ、主よ。どうかこのしもべの祈りと、喜んであなたの名を恐れるあなたのしもべたちの祈りに耳を傾けてください。どうか今日、このしもべに幸いを見させ、この人の前で、あわれみを受けさせてくださいますように。」ネヘミヤ記1:11

ペルシア帝国に離散していたユダヤ人

今から2500年前、ペルシア帝国がアジア、アフリカ、ヨーロッパの三大陸をまたにかけ、「史上初の世界帝国(阿部拓児氏の表現)」として君臨していました(エステル記1:1)。当時、かつてのイスラエルを含む地域は、アラム語で「アバル・ナハラ(エズラ記 5:3原典)」と呼ばれる行政区に編入されて国家的な独立を失い、ユダヤ人たちは各地に離散して生活していました(エステル記9:16)。というのも、紀元前587/586年に、バビロン王ネブカドネツァル軍の侵略によってエルサレムは既に陥落しており(第2列王記25:1-12)、イスラエルの地における王国の制度は、終焉(しゅうえん)を迎えていたからです。残虐な侵略者たちに降伏したユダヤ人たちや、その他の戦火をまぬがれた者たちも異国の地に捕え移され(第2列王記25:11-12)、ユダヤ人たちは祖国を失って離散民となってしまっていたのです。

ペルシア帝国における離散民の哀願

エルサレムを廃墟とし、多くのユダヤ人を捕らえ移したバビロニア帝国は崩壊し、メディアと合体したペルシア帝国が世界の覇権(はけん)を握りました(ダニエル書8:1-20)。ペルシアが世界を治めるその時代には、ユダヤの離散民が帝国の心臓部で活躍していました。若い時分にバビロン捕囚を経験し、バビロニア帝国からペルシア帝国へという時代の転換期を経験したダニエル(ダニエル書1:1-12:13)、ペルシア王アルタクセルクセスに献酌官という責任ある立場で仕えたハカルヤの子ネヘミヤ(ネヘミヤ記1:1、11)、クセルクセス王の寵愛(ちょうあい)を受けたエステル王妃(エステル記1:1-9:32)、クセルクセス王の次の位に就き偉大なる者と称えられたモルデカイ(エステル記10:1-3)をその例として挙げることができます。

ダニエル、ネヘミヤ、エステル、モルデカイに共通していたのは、同胞を思って哀(あいがん)したということでした。ユダヤ人たちの惨状を嘆き、その嘆きが哀願へとつながりました。廃墟となったエルサレムの方角に窓を開いて祈ることを良き習慣としていたダニエルは、エルサレムの荒廃の期間が満ちるまでの年数が70年であることを悟りました(ダニエル書6:10、9:2)。そして、彼は「追い散らされた先のあらゆる国々にいる、すべてのイスラエル(ダニエル書9:7)」のことに思いをはせ、深い悔い改めをもって、廃墟となったエルサレム神殿のすみやかな復興を神に哀願しました(ダニエル書9:1-19)。ネヘミヤもまた捕囚の生存者たちの困難と恥辱(ちじょく)を嘆き、城壁や城門が焼き払われたエルサレムを思って主に嘆きの祈りをささげ、アルタクセルクセス王に都の再建許可を願ったのです(ネヘミヤ記1:1-2:5)。さらに、ペルシア帝国全体に離散しているユダヤ人たちがジェノサイド(=集団虐殺)による民族消滅の危機に瀕(ひん)しているとき、モルデカイは帝都スサで粗布(あらぬの)をまとって嘆き、世界中のユダヤ人たちもまた悲劇の通達を知って、断食をしながら悲しみの声をあげました(エステル記4:1-3)。また、ペルシア帝国のすべての州において、ユダヤ人が老若男女すべて根絶やしにされる悪夢の日が迫る中、エステルは命を賭(と)して世界帝国の王クセルクセスにユダヤ人の助命を嘆願して聞き入れられたのです(エステル記7章)。嘆く力、哀願する力を主によって与えられた離散するユダヤ人の声が世界に鳴り響き、ついに天の神が動かれたのです。ペルシア帝国の時代、多くのユダヤ人たちが祖国に帰還し、エルサレムの神殿は再建され、民族的消滅をまぬがれ、エルサレムの城壁も建て直されるという奇蹟が起こりました。

「離散民化」する世界

ところで、ある宣教学者が21世紀の人口学的特徴は世界規模の「離散民化」にあり、それに応じて宣教のあり方も変化しつつあるという見解を提示しておられました。バビロン捕囚によって捕らえ移された人々が離散民としてペルシア帝国に生きていたことを学びましたが、現代では、人々が内戦、飢饉、宗教弾圧、政治的、経済的理由等によって空間的な移動を余儀なくされるという現象が、世界中で大規模に起きているのです。そして、多くの人々が祖国を離れて「離散民」として生きているという現実が、21世紀のひとつの特徴であると言われます。2000年の統計では移民の数が世界総人口の3%でしたが、2020年の統計ではさらに増加して3.6%になりました。

ペルシア語圏の離散民

かつてアケメネス朝ペルシアの主要な地域であったイランやアフガニスタンも、「離散民化」の歴史をもつ国々です。イランでは1979年にイラン革命が起こり多くの人々が祖国を離れました。同年、ソビエト連邦がアフガニスタンに侵攻して内戦が始まり、アフガニスタン全土で600万人が難民となりました。また、最近では2021年8月、駐留外国軍の撤退にともない、イスラム主義勢力のターリバーン(Ṭālibān)が復権して、数十万人規模の避難民が発生したことは記憶に新しいでしょう。名古屋市でもアフガニスタンの方々が事実上の難民として生活をしておられます。

私事ですが、ずいぶん前から、ペルシア語を話す人たちに特別な感情があります。近所にイラン人の家族が住んでおられたり、高校時代の親友がイランにルーツがあってペルシア語をよく教えてもらっていたのがその理由だと思います。2001年にアフガニスタン紛争が勃発してからは、イランだけでなく、ペルシア語(公式名称:ダリー語)話者が多く住んでいるアフガニスタンにも興味をもつようになりました。伝道者になってからは、主のお導きにより、公立の小学校などで、ペルシア語を話すイラン人やアフガニスタン人の日本語指導や生活支援をする機会も与えられ、ペルシア語圏の方々がさらに身近になりました。しかし、残念なことに、アフガニスタンやイランから来日された方々の中には、政治や宗教の理由で、国を離れざるをえなくなった事実上の難民も多く、「離散民」としての悲しみに共感したいという感情も芽生えています。

結語

祖国に帰ることができない方々の気持ちを理解することはできませんが、ひとりのアフガニスタン「難民」の児童が、ペルシア語訛りのたどたどしい英語で私に言った次の言葉を忘れることができません。”I am very lonely, sad, and angry.”(僕はとてもさびしいし、悲しいし、怒っている。)祖国を離れて生活せざるをえなくなった子どもたちのたましいの声を聞いた思いがしました。

名古屋聖書バプテスト教会には、祖国を離れざるをえなくなったペルシア語圏の方々が、時折、礼拝や特別行事に参加してくださいます。福音の種を少しずつまいています。まだ信仰告白をした方はおられないのですが、いつか、ペルシア帝国に住んでいたあのユダヤ人の離散民たちのように、異国の地で主に叫び求め、主に真の救いを哀願する者となれるようにと願います。世界中で離散民として暮らしておられる方々に、まことの幸(さち)がありますように。

最近来られている日本への宣教師たちの紹介

はじめに

海外宣教委員長 佐藤 一彦

戦後間もなく宣教師たちが福音を携えて日本に来られました。それ以降も数多くの宣教師たちが日本各地に来日し、教会が建てられ、教会の数が増し、神学校がスタートしました。そこから日本人牧師伝道師が輩出されてJBBFという群れが形になりました。そして、今では日本からも世界に宣教師を遣わし世界宣教の働きに参加する恵にあずかっています。まさに主イエスが言われた「受けるよりも与えるほうが幸いである」(使徒20:35)を私たちは体験しています。最初の宣教師からすでに70年以上経ち、ある程度日本国内の諸教会の数も増え、日本人の働き人がいてもなお海外から宣教師が日本に送り続けられています。その姿から私たちは何を学ぶべきでしょうか?今回、最近日本に来られた海外からの宣教師、或いは来日予定の宣教師です。ぜひ、覚えてお祈りください。今回はラファエル先生特集です。

 

ラファエル宣教師のご挨拶

お名前:ビエイラ・ラファエル、アナリジア御夫妻 ミザエル(7歳)、イザベラ(3歳)
派遣国:ブラジル
派遣先奉仕教会:めぐみバプテストテンプル

9月末で日本に来て1年になります。(大泉町の)めぐみバプテスト教会が私たちを温かく迎えてくれたことに神様に感謝します。

私と妻のアナ・リジアは、結婚して11年目になります。そして2人の子供がいます。長男のミザエル(7歳)と長女のイザベラ(3歳)です。この1年間の宣教の働きを経て、学んだことや気づいたことがいくつかあります。

まず、私たちが住んでいたブラジルの東北地方と違い、ここの四季はとてもはっきりしていることに気づきました。そして、気候が日本の日常生活に様々な影響を与えていることにも気づきました。例えば、食べ物、服装そして祝日はそれぞれの季節に適応しています。やっと日本の日常生活に慣れることができて主に感謝です。

私たちは、大泉町図書館で日本語の勉強をしています。今では日本語で挨拶をすることもできます。そして携帯電話の翻訳機能は私たちの生活を助けてくれます。長男はもうすでにひらがなとカタカナの読み書きを覚えることができて、今では小学校1年生の漢字を学んでいます。

ここで暮らすブラジル人の方々は、日本人と同様、よく働きます。この二つの民族に共通するもう一つのことは、どちらもイエス様を知る必要がある事と新たに生まれる必要がある事です。そのため、私たちは、できるだけ多くの時間を使ってブラジル人の方々を知って、そして彼らがいつかキリストを信じることができるように、彼らに聖書を教えています。同時に、カウンセリングが必要な家族に、聖書に基づいたカウンセリングを行っています。

教会員がもっとみことばを知るために、聖書の学び(Bible Study Center)も始めました。

私たちの教会がこの地域のこれからの新しい教会の母教会になるために、お祈りを続けています。主から与えられたこの挑戦のためにお祈りいただけたら、幸いです。

日曜学校

青年会

リデラ聖書研究会

婦人会

 

今後特集予定の日本への宣教師たち

 

 

お名前:バーゲット・ヨナタン、タビーご夫妻 そして10人の子どもたち
派遣国:アメリカ
派遣先奉仕教会:アガペ聖書バプテスト教会

2019年8月に宣教師として10人の子どもたちを連れて来日しました。
日本の人々の救いのために教会に仕え、宣教の働きをしておられます。日本宣教創成期に活躍されたラリー・バーゲット先生、そして、現在日本で大きな宣教の働きをしておられるマイケル・バーゲット先生、更にヨナタン・バーゲット先生を通して福音の種は日本に蒔かれ続けています。

 

お名前:シュレル・クリス、ミランダご夫妻 ハラン(6歳)、ベンジャミン(7歳)
派遣国:アメリカ
派遣先奉仕教会:太田聖書バプテスト教会

2022年3月に日本に来られ、現在も日本語の学びと、太田教会を通して日本の教会活動を学んでいます。また、英語集会や月に一度の日本語説教、子どもたちの集会の奉仕をしています。祈りの課題としては、日本語の学びと子どもたちの家庭学習の学びのため、将来の働きの導きが与えられるようにお祈りください。

 

お名前:ニコラス・ザレッラ、ロレーナご夫妻 レビ(3歳)、ルカ(1歳)
派遣国:アメリカ
派遣先奉仕教会:調布聖書バプテスト教会

来日は2022年10月で現在は日本語の学びをしながら調布教会にお仕えしています。どうぞ、日本語の学びのためにお祈りください。また、家族の健康と安全、子どもたちの成長が守られ、祝福されますようにもお祈りください。そして、今後の働きのビジョンが与えられることを祈ってください。

 

お名前:ウォルターズ・クリストファー、ワイキンご夫妻 ソフィー (8歳)、アラン(7歳)
派遣国:アメリカ
派遣先奉仕教会:すずらん聖書バプテスト教会

現在、平日はフルタイムで日本語の学びをしている最中です。また、教会内では先生や教会員から教会活動の訓練を受けています。そして、少しずつ色々な教会の奉仕や働きの機会が与えられています。祈りの課題は、日本語の学びのためにお祈りください。公立学校に通っている子どもたちのためにお祈りください。将来どこで教会を始めるべきか導きが与えられますようにお祈りください。

 

お名前:ランディー・ブラウン、エスターご夫妻 そして5人の子どもたち
派遣国:アメリカ
派遣先奉仕予定教会:掛川聖書バプテスト教会

現在、米国内をキャンピングカーで家族そろってデピテーション中です。祈りの課題は、在留資格認定証明書とビザが与えられるように。十分なサポートが得られるように。来年2024年7月来日予定です!お祈りください。

 

お名前:ミンケ・エルウィン、バナデットご夫妻
派遣教会:フィリピン
派遣先奉仕予定教会:豊橋ひかり聖書バプテスト教会

現在、日本宣教のためにフィリピン国内をデピュテーション中です。ビジョンは今年23年末に来日し、受入教会を基点とした開拓教会の設立を目指します。ぜひ、宗教ビザが与えられて日本に来ることが出来ますようにお祈りください。

 

お名前:ブリー・ベスト宣教師
派遣国:アメリカ
派遣先奉仕教会:清水聖書バプテスト教会

宣教師インターンとして2年間(2022年春〜2024年春)日本で宣教することが決まっていますが、来年春以降の働き場は今も祈る中にあります。現在教会で担っている働きは、中高生クラスの教師と英語聖書クラスのリードです。平日は牧師夫人とともに教会の事務的な奉仕をしています。また教会員の運営されている塾の英語クラスでも英語を教えながら、地域の子どもたちとの関わりを持っています。清水教会での奉仕が祝福されますように、また、来年春以降の働き場が示されますようお祈りください。

 

お名前:エバスコ・マーク、ヨシコご夫妻
派遣国:フィリピン
派遣先奉仕教会:未定、関東地区を希望

現在、日本宣教のためにフィリピン国内をデピュテーション中です。この夏日本に宣教視察として来日して数教会を訪問しました。来年24年以降に本格的に宣教師としての来日を希望しています。ビジョンは、福音宣教とクリスチャンスクール開設を祈っています。フィリピンから先行して派遣された宣教師がまだいないこともあり、宗教ビザが与えられることが大変難しい状況です。ぜひお祈りください。

感謝と祈祷

インドネシア派遣宣教師 田村 成幸

● 近況報告 ●

8月から教会訪問の働きの為に短期帰国しています。教会訪問に関してご協力下さり感謝致します。

その際、クランジバプテスト教会牧師のネンゴラン師が来日し宣教の実としての証しの機会が与えられました。

ネンゴラン師は、1997年に救われて献身に導かれ2002年に神学校を卒業してクランジ教会に仕え、2009年に牧師に就任し現在に至っています。続けてクランジ教会と彼の働きの為にお祈り頂けましたら感謝です。

● 祈りの課題 ●

①インドネシア宣教の祝福と拡大。
②スラバヤ南バプテスト教会の祝福
③クランジ・バプテスト教会の祝福
④田村家族の守りと親兄弟の救いの為、家内の健康の為
⑤バリでの開拓伝道の道が開かれる様に

 

 

 

インドネシア派遣宣教師 入江 一義

● 近況報告 ●

交通事故後の静養のため帰国中。次第に回復しておられ、近々、白内障の手術を受けられる予定。

奥様は11月2日に股関節の手術をお受けになる予定。

● 祈りの課題 ●

①留守中の宣教地が守られるように
②白内障の手術の無事と術後の回復
③早期に宣教地(メダン)の職場復帰できるように
④奥様の手術の無事と、術後の回復のため

インドネシア派遣宣教師 広瀬 憲夫

● 近況報告 ●

3月から半年間の一時帰国中、16教会の訪問、青少年宣教キャンプ参加で豊かな交わりの恵みを頂いて大変励まされる。

この間、10日間ほどの帰省が4度。95歳の母が昨年以来急速に老衰が進んでいる中、交わる時間が与えられて感謝。「人が死んだらみんな神のもとにあるのだから神を拝むだけで十分」との話はわかってもらえた。インドネシアに出発する直前に容態が悪くなっている連絡を受けて渡航を延期、再び帰省したところで、キリストの福音を聞いてうなずいてくれた。

ビンジェイ教会マナル牧師長男ダニエル兄が来日、調布教会および付属幼児園、他3教会、神学校で交わりの恵みにあずかることができて感謝。日本の印象は安全で平和。主にあっては不可能はない、と、自分のバイト代で来日できた奇跡を喜んでいた。

● 祈りの課題 ●

①新たな宣教師が与えられるように
②ダニエル・マナル兄、ジョン・バンチン兄が、主の心を求めつつ、人々のこころに届くメッセージを伝える伝道者に育つように
③教会員一人ひとりが弟子を導き育てるように、主に支え、人に仕える訓練ができるように

 

 

ハワイ派遣宣教師 上久保 崇

● 近況報告 ●

6月から礼拝と日曜学校の時間をコロナ前の時間に戻しました。それによって日曜学校の奉仕者の体制も整うことが出来きて、主が新しい出席者を導いて下さいました。

7月、教会員のベッチー姉(97才)が天に召されました。彼女とは私たちがハワイに来て3年目に出会いました。葬儀では天での再会希望のメッセージが語られました。教会員の自宅での家庭集会が隔月で持たれています。その方の祈りであった娘さんと通り向かいの古くからのご友人も参加して下さり、クリスチャンの交わりの幸いをいただいています。7月は日曜学校の夏の特別企画として、毎週ゲストメッセンジャーを通して、クリスチャン生活の祝福の秘訣を教えていただきました。最近集うようになった小学生の男の子がこの機会に同級生を誘ってくることにもなりました。

9月には、教会の23周年記念礼拝をおささげしました。これまでの恵みを感謝して、これからの更なる祝福を祈る機会となりました。また、祝日を利用して、久しぶりに教会キャンプを行ないます。今回はクリスチャンが管理しているクリスチャンのための場所をお借りすることが出来ました。

● 祈りの課題 ●

①御言葉を通して、イエス様を知って信じる人、益々信頼して従う人が導かれるように
②9月の新年度が教会の成長と伝道の拡大の一年となるように
③秋から冬にかけての伝道計画の準備と祝福のために
④円安ドル高の中での経済的な支えのために

 

 

 

 

台湾・東アジア派遣宣教師 鈴木 しのぶ

● 近況報告 ●

皆様のお祈りが日々私の生活の中で答えられています。7月初めにカラーズ牧師ご夫妻がファーローから無事に台湾に戻られました。7月後半と8月初旬に夏季聖書学校が行われ、カラーズ牧師より合計14人のお子さん達が救いの決心をしたとお聞きしました。小学生を対象とした5日間約2時間のプログラムでは、賛美、スキット、英語レッスン、聖書のお話、おやつの時間があり、その後グループに分かれて暗唱聖句、レク、工作が行われました。アメリカ、韓国、フィリピン、メキシコ、日本から来ている宣教師が、それぞれの国のおやつを紹介しました。8月初旬の夏季聖書学校は車で30分ほどの場所で行われました。私は初めて台湾の一般道や高速道路を8人乗りの教会車で運転し、奉仕者や子どもたちの送迎をする機会をいただきました。ちょうど台風が通り過ぎた後であったため、ほとんどの日が大雨でした。危険な運転をする車やスクーターを私の運転する車から遠ざけてくださいと、主に祈り続けました。台湾人の兄姉が「道を覚えましたね」「運転してくれてありがとう」と声をかけてくださいました。このような機会をくださった主と山頂BCの兄姉たちに心から感謝いたします。

● 祈りの課題 ●

①台湾と東アジアで続けて福音が宣べ伝えられ、人々が救われるように
②中国語の学びの祝福のために
③クリスマス諸集会の準備のために

 

 

 

香港/東アジア派遣宣教師 吉田 正治

● 近況報告 ●

7月9日は、フィリピン人のグレース姉妹、最後の聖日でした。姉妹はコーナーストーン開拓第一日目から20年ずっと私たちのそばにいて、助けてくださり、フィリピン人メンバーのリーダー、日曜学校も導いてくださいました。フィリピンに帰るのは、通常の里帰りではなく、主に示されて福音的英語学校を開くためです。コーナーストーン教会も、宣教師を送り出すように姉妹を送り出しました。

8月8日、ジャッキー兄が癌で63才で召されました。兄は2015年コーナーストーンで救われ受浸し、2018年にコーナーストーンで結婚式も挙げましたが、その後、ちょっとした齟齬があって、家の近くの教会に移り、交わりが途絶えていました。4月に来た内地の兄たちが彼と連絡を続けていて、癌であることを知り、私たちも数年ぶりで再開し、和解できましたが、すでに第五ステージであると知らされました。7月に最後の入院をし、まだお元気だったので、私たちも最後の見舞いをしました。8月に平安のうちに召されていきました。

● 祈りの課題 ●

①第16回宣教キャンプの祝福のため
②グレース姉妹のフィリピンでの福音的英語学校のため
③吉田の母、淳子の父、家族の救いのため

宣教師をサポートする最高の方法

若葉BBC牧師/宣教委員 ジェームズ・スミス

 

強靭な凧糸が重要

私のために祈り、支えてくださる多くの教会にとても感謝しています。キリストの弟子を作るために教会が果たす役割の大きさを、日々実感しています。

元調布BBC副牧師、現若葉BBC名誉牧師の所悠牧師は、大宣教命令を凧揚げに例えて次のように説明くださいました。「凧は宣教師。教会は凧の糸を持っている人。凧糸は、教会が宣教師に代わって捧げる祈りと支援のこと。糸が強ければ強いほど、凧(宣教師)は遠くまで飛ぶことができる。 そして風は聖霊であり、神の御心に従って宣教師をあちこちに導く。 大宣教命令における教会の役割は極めて重要である。」と。

 

宣教師を取り巻く諸事情

宣教師のサポートは諸教会の全き信仰によるものです。しかし、だからと言って宣教献金が保証されているわけではありません。実際、宣教師の経済状態には様々な要因が影響します。宣教地での生活費、伝道活動のための必要、突然の個人的な必要。さらに為替事情もあります。私自身、2011年にそれを体験しました。 為替レートは宣教師にとって有利なときもあれば、不利なときもあります。簡単な解決策は、アルバイトをすることなのですが、多くの場合、ビザによって許可されていないものです。

賢明な宣教師は雨季に備えて貯蓄をするでしょう。しかし、雨季が予想以上に長く続くこともあります。自国に帰り、サポートを集めることは望ましくありません。

しかし私は、諸教会との素晴らしい交わりに感謝しています。 私が困難な状況にあるとき、皆さんが私を助けようとしてくださるからです。私のニュースレターを読み、連絡をくださり、何をすべきか主に導きを求めて祈ってくださるのです。

パウロの体験から

ピリピ教会はパウロをサポートしました(ピリピ4:15∼16)。また、奉仕者エパフロデトと共にパウロのための特別献金を送りました(ピリピ2:25)。そして祈りました(ピリピ4:1)。ピリピ教会はパウロの派遣教会ではありませんでした。しかし、ピリピ教会の兄弟姉妹は神様の愛を持って、パウロの働きをサポートしたのです。

2011年の不利な為替事情に悩まされていた時、ある教会は私への月々のサポートを一時的に増やしてくださいました。またある宣教師はひどい経済的苦境に陥っていたところ、日曜学校の子ども達が200ドル(2万円位)以上の特別宣教献金を集めてくれました。

皆さんが宣教師の問題に直面する時、主に祈り、導きを願い求めましょう。主が、あなたに宣教師へのサポートを具体的に示してくださいます。その働きが宣教師たちへの霊的励みとなり、私たちは共に福音の恵みに与り、感謝し主を褒め称えることになるのです。

編集後記

宣教委員の栢下です。前回、宣教クォータリー春号の「編集後記」が前々回の冬号と同じ内容で記載されていたことをお詫び申し上げます。

宣教クォータリーは宣教委員の話し合いで内容を決めますが、編集を担当しているのは内島隆先生と栢下です。内島先生が原稿依頼をしてまとめてくださった文章や写真を栢下が構成して誌面の体裁を整えます。これまでは栢下が編集後記を担当していましたが、次回からは内島先生が編集後記を担当されます。短い間ですが編集後記を記す恵みを与えてくださった主に感謝いたします。

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